ファイアーエムブレム封印の剣とは
ファイアーエムブレム封印の剣とは以下のGBA3作の一つで、GBAで一番最初に発売されたシリーズである。
- ファイアーエムブレム 封印の剣(2002年3月発売)
- ファイアーエムブレム 烈火の剣(2003年4月発売)
- ファイアーエムブレム 聖魔の光石(2004年10月発売)
封印と烈火は同じエレブ大陸でのストーリーであり、発売順は封印⇒烈火だが時系列は烈火⇒封印となっており、封印の主人公ロイは烈火の主人公エリウッドの息子である。聖魔はこの2作とは別のストーリーで、エイリークとエフラムが主人公のマギ・ヴァル大陸での物語である。
難易度は封印ハード=烈火ヘクトル編ハード>聖魔ハードとなっており、聖魔と烈火ノーマルは初心者向け、封印ハードと烈火ヘクトル編ハードは上級者向けのような設定となっている。
アーマーナイトとその特徴
アーマーナイトとは名前の通り固い装甲をまとったタンク向け(いわゆる盾役)の兵種である。GBA3作では風花雪月のような最新のFEとは異なり自由に兵種を選べないため、登場時の兵種(CCした場合はその上級兵種)で最後までプレイすることになる。(聖魔はCC兵種を2つから選択可能だが、一度選ぶと変更できない)
その特徴は聖戦の系譜のアーダンの代名詞である「固い、強い、遅い」であり、高い守備で敵の攻撃を受けつつ、高火力で敵を倒すというものである。その反面速さが伸びないためソードマスターや遊牧騎兵など素早いユニットには追撃されやすいという欠点もある。しかし追撃自体は守備がしっかりしていれば受けきれるため実は大した問題ではない。本当の欠点は魔防が全く伸びないこと(=燃えやすい)。CCしてレベルを最大まで上げても魔防が10以下なのは当たり前。魔力の高い敵には手も足も出ず燃やされるため、敵が魔法ユニットメインの場合出撃させることすら難しい。(もっと言えば移動力も低いため広いマップでは他の味方ユニットに大きく遅れ、追いついた頃には敵がおらず活躍する場すらないこともある。)
要は正しく使えば無双できるが、運用を誤ると何もできないという0か100の兵種となっている。この傾向は最新作の風花雪月も同様である。(一部例外もいるけど・・・)
封印の剣におけるアーマーナイト
封印の剣ではアーマーナイト(もしくはジェネラル)で加わる味方ユニットは4人おり、それぞれ独特な特徴を持っている。
①バース
エムブレマーに長年愛され続けているバースさん。登場は8章の中盤であり、アーマーナイトLv.9で登場する。
パラメータ | 成長率 | 初期値 | CCボーナス | 期待値 (上級職Lv.20) |
HP | 100% | 25 | 4 | 59 |
力 | 60% | 10 | 3 | 27(カンスト) |
技 | 25% | 6 | 2 | 15.5 |
速さ | 20% | 5 | 3 | 14 |
幸運 | 20% | 2 | – | 8 |
守備 | 40% | 14 | 4 | 30(カンスト) |
魔防 | 2% | 1 | 3 | 4.6 |
体格 | – | 16 | 2 | 18 |
移動 | – | 4 | 1 | 5 |
見ての通り絵に描いたようなアーマーナイトの成長率である。何とHPは必ず成長し、力と守備も作中ではかなり高い水準となっている。ただしそれ以外のパラメータは成長率が低く、魔防に至っては2%のため伸びること自体が奇跡である。
しかしHP成長率は100%だが初期値(もしくは登場時のレベル?)の調整ミスのせいかHPは59までしか伸びない。これはHPの上限60に対して1足りない数値であり、HPをカンストさせようとすると「成長率100%なのに天使の衣が必要」というちょっとした矛盾が生じる。
また幸運の初期値が2しか無い上に成長率も20%のため、とにかく必殺を受けやすい。特にハードの場合は敵の傭兵や剣士の技は15~16近くあるため約5%の確率で必殺を受けてしまうのだ。(これら以外にも技が6以上の敵からは必殺を受ける可能性がある。)そのため3すくみ上有利なはずのユニットにすら倒されることもしばしばである。
さらにバースは体格が全ユニットの中でトップクラスに大きいため救出することができない。ジェネラルになると体格が18となり誰もバースを運べなくなるのだ。CC前のシンが唯一救出が可能だが、シンは今作最強クラスに強くCCするのは当然であるため実質救出は不可である。要するにバースを運べないのでいざという時に撤退させることも困難なのである。
極めつけは魔防の成長率が2%と、全ユニットで断トツの最下位である。通常FEの成長率は5%刻みで成長率が設定されている中、なぜか2%とピンポイントで下げられているのである。ジェネラルの魔防最大値は25であるため、魔除けなしで魔防がカンストする確率は約0.00000000000000000000000000002%(2×10^-29%)という天文学的な数字である。(30回レベルアップをする機会があるため、その中のどこかで初期値とCCボーナスを差し引いた回数である22回(25 – 1 – 2)魔防が上がる確率。ステータス吟味は考慮しない。)
宝くじの1当の当選確率は約2000万分の1(5×10^-6%)であるため、当てたい人は運試しに自力魔防カンストチャレンジをやってみるのもいいかもしれない。
このようにアーマーナイトらしさと多くのネタ要素を含むことから
- HP59さん
- 絶対に0ピンしない人
- 速さと幸運と魔防が同時に上がったら結婚するんだ・・・
など発売から20年近く経った今でもいじられている。
実際のところ伸びる点と伸びない点がはっきりしているため、秘伝の書とはやての羽と女神像を2~3個使えば実用性がぐんと上がるのもバースの特徴。本作では秘密の店でドーピングアイテム買い放題なので使ってみる価値はあるかもしれない。(あ、天使の衣はお好みでどうぞ)
②ボールス
ちょっとアゴがしゃくれ気味のボールスさん。1章から登場するため最初から最後まで使えるアーマーナイトである。
パラメータ | 成長率 | 初期値 | CCボーナス | 期待値 (上級職Lv.20) |
HP | 90% | 20 | 4 | 58.2 |
力 | 30% | 7 | 3 | 21.4 |
技 | 30% | 4 | 2 | 17.4 |
速さ | 40% | 3 | 3 | 21(カンスト) |
幸運 | 50% | 4 | – | 23 |
守備 | 35% | 11 | 4 | 28.3 |
魔防 | 10% | 0 | 3 | 6.8 |
体格 | – | 14 | 2 | 16 |
移動 | – | 4 | 1 | 5 |
初期値はアーマーナイトのそれだが成長率の配分が変わっており、力や守備よりも速さと幸運の方が高いという変わった成長をするユニット。魔防以外は烈火に登場するロウエンとほぼ同じである。ボールスもソシアルナイトなら走る壁になれたのに・・・。
速さと幸運がぐんぐん伸びていき、速さに至ってはジェネラルLv.10までにはカンストする勢い。守備の伸びも良いので回避できなくても物理ならダメージをほぼ受けないというのもボールスの利点である。(正直回避率が高いので、守備の成長率を10くらい力に分けてほしい・・・) 1章から登場することもあって育成期間も確保できるため、お世話になった人が多いだろう。
欠点を上げるとするならば移動が5しかないことと支援相手に恵まれないこと。序盤こそマップはそこまで広くないものの、13章あたりからマップはどんどん広くなっていくため他ユニットと歩調が合わない。特に21章は外伝に進むためには30ターン以内の攻略が必要だが、毎ターン5マスずつ進んでも玉座の前にたどり着くまでに15~20ターン近く要してしまう。また支援相手が身内(オスティア勢)しかいない上、リリーナはロイと支援を組ませることが多いため実質オージェ1択となってしまう。オージェ自身も支援相手には恵まれていないためボールスと組むのは問題ないが、ディークを育成しているとオージェを使わないこともしばしばであるため気をつける必要がある。
とはいうものの今作のアーマーナイトでは一番強いため、アーマーナイトに興味がある人はぜひ使うべきユニットである。エナジーリングがあれば火力を補強できるためgood。
③ウェンディ
ボールスの妹である女重騎士。バース同様に8章中盤で登場し、何とレベルが1である。
パラメータ | 成長率 | 初期値 | CCボーナス | 期待値 (上級職Lv.20) |
HP | 85% | 19 | 4 | 55.3 |
力 | 40% | 4 | 4 | 23.2 |
技 | 40% | 3 | 2 | 20.2 |
速さ | 40% | 3 | 4 | 22(カンスト) |
幸運 | 45% | 6 | – | 23.1 |
守備 | 30% | 8 | 3 | 22.4 |
魔防 | 10% | 1 | 3 | 7.8 |
体格 | – | 10 | 1 | 11 |
移動 | – | 4 | 1 | 5 |
アーマーナイトなのになぜか守備と魔防以外が高水準となっている。力と技については兄よりも高いため火力と命中はウェンディの方が優れている。その分守備の成長率が30%と他2人よりも低めに設定されている。(といっても封印は全体的に守備・魔防の成長率が低いためこれでも高めだが)もはやアーマーナイトとして使うよりはちょっと守備が高く、移動範囲の狭い傭兵と考えておいた方が運用しやすいかもしれない。
弱点も兄と同様だが、ウェンディの場合Lv.1での登場であるため育成が非常に辛いのが一番の難点である。登場する8章はストーリーの約3分の1あたりなので雑魚敵でもそれなりにステータスがあるため、1対1で敵を倒すのはまず無理である。そのため他ユニットで削った敵にトドメを刺すことで経験値を稼ぐことになる。しかし次の9章からは海賊や山賊ばかりの西方三島でのマップが続くため、トドメを刺すにしても槍しか使えないことから命中不安と戦うことになる。ノーマルでも育成が辛いのにハードとなるともはやどう戦わせればいいかもわからなくなってくる。頑張ってLv.10くらいになるとステータスも上がって安定してくるのだが・・・。
バース、ボールス、ウェンディの3人でトライアングルアタックを打てるため、興味のある人は育てて見てもよいのかもしれない。
④ダグラス
あごひげモッサリのエトルリア王国大軍将。16章外伝からジェネラルLv.8で加入する。
パラメータ | 成長率 | 初期値 | CCボーナス | 期待値 (上級職Lv.20) |
HP | 60% | 46 | – | 53.2 |
力 | 30% | 19 | – | 22.6 |
技 | 30% | 13 | – | 16.6 |
速さ | 30% | 8 | – | 11.6 |
幸運 | 20% | 11 | – | 13.4 |
守備 | 30% | 20 | – | 23.6 |
魔防 | 5% | 5 | – | 5.6 |
体格 | – | 17 | – | 17 |
移動 | – | 5 | – | 5 |
成長率は平均的だが初期値のせいでバースのようなパラメータになってしまっている。ダグラスが加入するころには育成した主力ユニットの方が強いためあまり使われることがない。(ちなみに速さの成長率はセシリアさんより高い)
一応次の17章以降はペガサスか遊牧民と攻撃力の低い敵ユニットがメインのマップであるため壁役にはなってくれる。なので味方の守備が全体的へたれていて守備の高いユニットが欲しい人は使ってみてもいいのかもしれない。今作は守備より回避の方が大事だけど・・・。
ダグラスを使う理由を強いて挙げるとすれば、エルフィンやギースと支援を組ませるとダグラスがミルディン王子を逃がした経緯がわかるため、細かい裏設定が気になる人には向いているかも。
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